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日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

カズオ・イシグロ and 土屋 政雄

早川書房 / 2001-05-01

累計読者数30
平均ハイライト数 14.5件/人
推定読了時間 約3時間34分
star総合評価 60/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 39%

この本について

仕事でも人間関係でも、ふと「自分はこのまま突き進んでいいのか」と迷うときがありますよね。過去の選択に少し引っかかりがあったり、誰かとの別れ際の一瞬がずっと心に残っていたり。時間がたっても整理しきれない感情って、意外と生活の端っこに居座り続けます。 『日の名残り』の抜粋を眺めていると、読者が惹かれているのは“感情を言語化しないまま抱え続ける人”の姿なんだろうなと感じます。たとえば、久しぶりの再会で昔の会話のリズムがよみがえる瞬間だったり、海辺の町を歩きながら、ようやく立ち止まって自分の人生を見つめ直してしまう時間だったり。あるいは、誇りに見せかけた忠誠心の奥に、どうしようもない後悔がにじむ場面だったり。どれも、心のどこかに自分の影を見つけてしまうような描写です。 この本が効いてくるのは、過去の選択を「正しかったかどうか」で裁こうとする気持ちをいったん横に置き、そこにあった感情の揺れを静かに受け止めさせてくれるところだと思います。景色や会話の細部を通して、自分でも言葉にできなかった後悔や諦めのかたちが、少し輪郭を持ちはじめるんです。読み終えたあと、自分の中に眠っていた“言いそびれた気持ち”に触れられる感覚がありました。 静かな物語の中に、自分の人生のほこりをそっと払いたい人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

短い旅に出た老執事が、美しい田園風景のなか古き佳き時代を回想する。長年仕えた卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々......。遠い思い出は輝きながら胸のなかで生き続ける。失われゆく伝統的英国を描く英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。
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