
つゆのあとさき
永井 荷風
千歳出版
累計読者数3
平均ハイライト数 1.7件/人
推定読了時間 約1時間35分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 83%
この本について
仕事でも人間関係でも、「こうするべきだった」「あの時もっと言えたのに」と、過ぎた場面をつい引きずってしまうことがありませんか。頭では切り替えたいと思いながら、気持ちだけがそこに残り続けるあの感じ。私もよく同じところで足踏みしています。 『つゆのあとさき』を読んで刺さったのは、まさにその引きずりがちな気持ちへの距離の取り方でした。作中に出てくる「若くは成事は説かず、遂事は諫めず、既往は咎めず」という一節は、立派な教訓というより、雨上がりの空気みたいにふっと心に残るんですよね。登場人物たちの、良い意味での“割り切り方”が、説教ではなく生活の中の振る舞いとして描かれているので、自分の中のこだわりや後悔も少しだけ軽く扱ってみてもいいのかもしれない、と思わせてくれます。 また、駒田が淡々と靴をはき、忘れ物を確認し、月の出た外に出ていく場面も印象的でした。大きな決断でも悟りでもなく、ただその場を整えて次に向かうだけの動き。こういう小さな所作の積み重ねが、気持ちの切り替えにつながるんだろうなと感じます。過去を無理に肯定せず、かといって否定もしないまま、静かに歩き出すためのヒントがこの小説には散らばっています。 こんな人に刺さると思います。過ぎたことをずっと頭の隅で回してしまいがちな人。物語として楽しみつつ、肩の力を抜いて前に進むための視点がほしい時にそっと効いてきます。
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出版社による紹介
明治・大正・昭和の三時代にわたり、耽美派の中心的作家として小説、随筆、翻訳など多岐にわたるジャンルで精力的に活躍した永井荷風。代表作『つゆのあとさき』を収録。
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