
遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)
カズオ・イシグロ、小野寺 健
累計読者数4
平均ハイライト数 2.5件/人
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 83%
この本について
人の選択や過去の出来事について、「本当のところ自分は間違っていなかったのか」とふと不安になることがあります。自分のせいじゃないと思いたい一方で、どこか後ろめたさが残る。誰かの言葉に救われたいけれど、簡単に割り切れるものでもない。そんな揺れの中にいるとき、イシグロの『遠い山なみの光』は静かに効いてきます。 この物語には、強い主張も爽快な答えも出てきません。むしろ、登場人物たちの言葉や態度の「わずかな揺れ」がそのまま読者の心の揺れに重なってくるような感覚があります。例えば、励ますつもりの言葉が逆に距離を際立たせてしまったり、自分では整理したつもりの過去が、誰かの一言でまた波立ってしまったり。そういう瞬間が丁寧に描かれていて、自分の中の曖昧さをそのまま抱えていてもいいのだと思えるんです。過去の責任を断定するのではなく、「こんなふうにしか向き合えない時期もあるよね」と寄り添われている感じに近いです。 一見淡々としているのに、心の奥をそっと押されるような読後感でした。特に、自分の選択を誰かに肯定されたくなる時期にいる人、過去を振り返るたびに少し苦しくなる人には、静かだけれど深く刺さる気がします。物語を読むというより、自分の心の動きをそっと照らしてもらう、そんな一冊でした。
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ハイライト密度
開始終了
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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出版社による紹介
英国で暮らす悦子は、娘を喪い、人生を振り返る。戦後の長崎で出会った母娘との記憶はやがて不穏の色を濃くしていく。映画化原作
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