
この本について
仕事でも日常でも、頭の中がずっと張りつめたままで、「どこかで力を抜きたいのに、うまく脱線できないな」と感じることがありませんか。真面目に生きようとすると、どうしても“意味のある時間”ばかりを求めてしまって、ただの寄り道みたいなものを忘れがちになります。 『村上朝日堂』は、その“寄り道の感覚”を思い出させてくれる本でした。特に読者が保存している抜粋を見ると、刺さっているのは、村上春樹の文章に流れている「目的のない時間の心地よさ」なんじゃないかと思います。大みそかに六本木から新宿をふらふら歩きまわる話も、食堂車の“かりそめの制度”の話も、どれも人生の本筋とは関係ないのに、不思議と心が整う。意味を求めすぎて固くなった頭を、ゆっくりほどいてくれるような感覚があります。 それに、この本は“おしゃれな日常”を描いているようでいて、実はすごく現実的です。偏食の話も、辞書をめくるだけで楽しいという話も、大げさな人生論じゃなくて、ただの生活の断片。その断片に触れていると、自分のなかの方向感覚みたいなものが少しだけ戻ってくる気がします。何かを頑張るためというより、いったん深呼吸したいときにそっと置いておく本です。 気負わず読みたい人、そして「最近ずっとまっすぐ歩きすぎてるな」と感じている人に刺さる一冊だと思います。
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