
差別する人の研究 変容する部落差別と現代のレイシズム
阿久澤 麻理子
旬報社 / 20230926
この本について
差別の話題って、距離を置きたいわけじゃないのに、どこから考えればいいのか分からなくて手が止まることがあります。自分の中にある“無意識”にモヤッとして、「差別って結局どこから始まるんだろう」と立ち止まるあの感じです。僕も同じで、この本に出会うまで、制度や歴史のレイヤーと、自分の日常の感覚がつながらずにいました。 読んでみて一番の発見は、部落差別や人種差別が“自然に存在しているもの”ではなく、社会が作り出し、形を変えながら今も続いている現象だと具体的に理解できたことでした。たとえば「差別はする側の問題」という視点が入ると、〈その人が本当にその属性を持っているか〉より、〈どう扱われたか〉を軸に考えられるようになります。また、「逆差別」や「特権批判」という言葉が、実際にはマイノリティの声そのものを抑え込む言説にすり替わっていくプロセスも丁寧に追われていて、自分の身の回りの会話にも思い当たる場面が増えました。 さらに、歴史的な身分制度が「異種」としてのまなざしに変換されていった流れや、無意識の偏見が“自分の中にはない”という思い込みをどう温存してしまうのかまで具体例で示されていて、読んでいてかなり立ち止まらされます。 「自分は差別に加担していないはず」とどこかで信じたい気持ちを抱えつつ、もう少し深く向き合いたい人に刺さる一冊だと思います。今の社会で起きていることが、点ではなく線として見えてきます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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