
冬期限定ボンボンショコラ事件 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫)
米澤 穂信
累計読者数4
平均ハイライト数 7.3件/人
star総合評価 39/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 10%
この本について
人のために動いたつもりが、相手からすっと距離を置かれる瞬間ってありますよね。善意のつもりだったのに、何か違ったのかもしれない…と後からじわじわ効いてくるあの感じ。僕も仕事でも私生活でも同じように空回りして、「どこまで踏み込んでいいのか」わからなくなることがあります。 『冬期限定ボンボンショコラ事件』の抜粋を読んでいて、一番胸に刺さったのは、小鳩くんが三年前の自分の行動を思い返し、「相手に受け取る義理なんてない」と気づく場面でした。善意の形がズレた瞬間の痛みって、本当にあんなふうに来るんですよね。この本はミステリなのに、人との距離感の難しさや、自分の思い込みのほうが強すぎて相手が見えなくなるあの怖さを、妙に現実的に思い出させてくれます。 しかも、小佐内さんとのやりとりの中で、質問が噛み合わなかったり、気づいたら隣にいなかったりと、関係の“ズレ”が物語のあちこちに滲んでいて、読みながら「人ってこんなふうにすれ違うんだよな」と妙に納得させられるんです。事件の謎解きが面白いのはもちろんですが、その裏でキャラクターの心の揺れが静かに効いてくる。 人間関係で「相手のためと思って動いたのに、なんか違ったかも」と感じたことがある人に刺さる一冊だと思います。物語として楽しみつつ、自分の中の小さな思い込みにもゆっくり光を当ててくれる本でした。
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