
ロシア政治 プーチン権威主義体制の抑圧と懐柔 (中公新書)
鳥飼将雅
中央公論新社 / 2025-05
この本について
政治のニュースを見ていても、「これって本当に大丈夫なんだろうか」と思いながら、でも自分の生活は普段どおりに回っている。そのギャップに、どこか説明しきれない不安を抱えていました。急に独裁になるようなドラマチックな場面ではなく、気づかないうちに足場が削られていく感じ。そんな“じわじわした変化”をどう捉えたらいいのか、ずっと分からないままでした。 この本は、そのモヤモヤに具体的な形を与えてくれます。ロシアの政治体制を扱っているのに、読み進めるほど「これは遠い国の話じゃないな」と思わされました。たとえば権威主義が「抑圧」だけではなく、「抱き込み」や「正統性づくり」といった、生活の風景にまぎれ込む手法で安定していく流れ。あるいは、エリート人事が個人的なつながりで固められていく様子が、制度より“関係”が国を動かす危うさを教えてくれるところ。どれも、日常の延長線にある話として読めてしまうのが逆に怖いのですが、それだけに視点の整理としてありがたかったです。 特に、権利や自由が削られていく過程が“劇的には見えにくい”という指摘には、自分の身の回りを振り返るきっかけをもらいました。政治を専門的に追っていなくても、「今どれだけ確認できているだろう」と一度立ち止まれる。そのための材料として、この本はかなり実務的に役立つ印象です。 政治について漠然とした不安があるけれど、感情論だけで語りたくない人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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