
コロラド・キッド 他二篇 (文春文庫)
スティーヴン・キング、高山真由美、白石朗
この本について
ときどき、自分の今の選択が正しいのかどうか分からなくなります。過去のことは振り返れば理由づけできるのに、これから先のことになると一気に視界が曇る、みたいな。私もよくそこで立ち止まってしまいます。 『コロラド・キッド 他二篇』の抜粋を見ていると、読んだ人が惹かれているのは「未来は謎のままでいい」という、ちょっと突き放すようで優しい感覚なんだと思います。物語の中では、答えが見つからない出来事や、どうにも整理できない感情が淡々と置かれます。でもそれが不思議と重荷にならず、むしろ“分からなさごと受け取っても大丈夫なんだ”という気持ちに落ち着くんです。正しい行いをひとつだけでも残したい、という人物の小さな覚悟も、日常の迷いを静かに整えてくれます。 読み終わったあとに強い解決策が手に入るわけではありません。ただ、「世界はコロラド・キッドに満ちている」という一文のように、世界は説明できないことだらけで、その中で自分がすぐ答えを出せなくても普通なんだと思える。具体的には、行動を急かす気持ちが少し弱まったり、今の自分のペースをそのまま許してみようと思えたりします。そういう意味で、この本は“モヤモヤを片づけようとしすぎて疲れている人”に刺さる気がします。 私自身、答えの出ない状況を抱えたまま進むとき、この本の空気を思い出すことがあります。完璧に理解できなくても、足を止めなくていい。そんなふうに背中を軽く押してくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
読書の順序
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