
『百年の孤独』を代わりに読む (ハヤカワ文庫NF)
友田 とん
早川書房 / 2024-07-01
この本について
最近、目の前の問題にどう向き合えばいいのか分からなくて、その場しのぎに対応しているだけなんじゃないか…みたいな気持ちになることがあります。解決したいのに、どこかで「本当は変わらなくてもいいのかも」と思っている自分もいて、そこがまたややこしいんですよね。 『『百年の孤独』を代わりに読む』を読んでいて刺さったのは、まさにその“ややこしさ”を無理に整理しようとせず、物語の中にある人の振る舞いとして丁寧に拾い上げてくれるところでした。亡霊にたらいを置く場面を通して、問題を消すのではなく「今ここで困っているものに応じる」という生き方が描かれていて、それが自分の態度にも重なる瞬間がありました。湘南新宿ラインを比喩にした意識の話も、固定された正解ではなく「転線し続ける感じ」をそのまま見ていいんだと教えてくれます。何かを選び損ねたと思っていても、別の路線に入るように生き方が少しずつ変わることがあるんですよね。 この本は、物語の人物を通して、人がなぜそんな行動を取るのか、なぜ混乱したまま進めるのかをゆっくり照らしてくれます。誰かの選択を笑わずに、むしろ「その気持ち分かる」と寄り添う読み方が続いていくので、読む側も自然と自分の振る舞いを見直せる。違う作品同士を地図のように照らし合わせる視点もあって、現実の行き詰まりを別角度から見られる感覚がありました。 自分のモヤモヤをすぐに結論づけられない人、歩きながら考えるタイプの人には特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
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