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折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ケン リュウ and 中原 尚哉・他

早川書房 / 2018-02-25

累計読者数11
平均ハイライト数 7.5件/人
推定読了時間 約6時間35分
star総合評価 52/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 43%

この本について

最近、「世界の変化が速すぎて、何を基準に考えればいいのかよく分からない」という話をよく聞きます。自分の立っている場所が揺れている感じというか、異国のニュースを見ても、背景がつかめずにモヤモヤが残るというか。僕自身も同じで、理解の届かない領域に向き合うたびに、自分がいかに表面的な情報だけで判断していたかを思い知らされます。 『折りたたみ北京』が面白いのは、中国SFの“物語”を通して、その複雑さに触れられるところです。政治や技術の話が出てくるのに、解説書のように断言しない。むしろ「外側の視線で単純化する危うさ」をそのまま物語に埋め込んでくる。読んでいるうちに、自分の想像の範囲がいかに狭かったかに気づかされます。たとえば「技術は中立だ」というセリフがあるけれど、その結果として誰が自由になり、誰が不自由になるのかは、場所によって全然違う。こういう“ずれ”に気づけるのが、この本の強さだと思います。 もう一つ印象に残ったのは、人と人が語り合うことで互いの内部が少し混ざり合う、という描写。これは中国の話というより、僕たちの日常にそのまま持ち込める感覚で、理解できない相手や社会に向き合うときの姿勢を少しだけ変えてくれます。 「世界の複雑さに置いていかれている気がする人」に静かに効く本です。読後に“分かった”とはならないけれど、“分からないままでも考え続けられる”ようになる、そんな一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

三層に分かれた折りたたみ式の北京を描いた表題作、中国に史上初のヒューゴー賞をもたらした「円」など7作家の13作品を、『紙の動物園』著者のケン・リュウが選び収録。いま一番SFが熱い国・中国の粋を集めたアンソロジー
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