
街場の米中論
内田 樹
東洋経済新報社 / 2023-12-06
この本について
最近、世界のニュースを見ても「いま何が起きているのか」「自分はどこに立っているのか」がよくわからないまま流されてしまうことが増えました。昔から当たり前にあると思っていた仕組みや価値観が、実はそんなに安定していなかったと気づく瞬間が続いている感じがあります。コロナやウクライナの件で、その感覚が一気に表に出た人も多いと思います。 『街場の米中論』は、そういうモヤモヤに対して、いきなり正解を教える本ではありません。でも、「そういえば」と自分の記憶の棚を開かせてくれるような視点がいくつもあって、読んだあとに現実の見え方が少し変わります。例えば、国民国家という枠組みがそもそも歴史的には“中くらいの現実”にすぎなかったという話や、反知性主義がどういう心理の果てに生まれるのかという説明は、ニュースの裏側を自分の言葉で整理する手がかりになります。また、一貫した「客観なんてない」という諦めではなく、情報の真偽を“通算の成績”で判断するという現実的な視点が、日々の情報との向き合い方を落ち着かせてくれます。 大きな物語が崩れていく時代に、どう距離を取りながら考えるか。その感覚を養いたい人には、かなり刺さる本だと思います。自分も読んで、「世界が乱れている」というざっくりした不安が、「どこがどう揺らいでいるか」という具体的な理解に変わっていきました。こういう変化を求めている人には静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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