
2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か (日本経済新聞出版)
太田泰彦
日経BP / 2021-11-24
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推定読了時間 約4時間16分
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この本について
仕事で半導体の話題を耳にするたびに、「結局どこが要所なのか」「自分の業務とどうつながるのか」が曖昧なままモヤモヤしていました。技術の話なのか、地政学なのか、産業構造なのか……調べても断片的で腹落ちしない感じです。 この本が助かったのは、半導体のサプライチェーンを“国の戦略”という視点から捉え直せたことでした。たとえば、なぜシンガポールがデータセンターまで安全保障として扱うのか、なぜ台湾の一社が世界のボトルネックになっているのか。単に用語を整理するだけでなく、「どこにチョークポイントがあるのか」という思考の軸が手に入ります。日本が強い領域と弱い領域を冷静に見せてくれるのもありがたくて、TSMCを誘致する意味が感情論ではなく“構造の話”として理解できました。 読んでいると、設計・製造・利用のどこに価値が生まれ、どこが国家を左右するのかがつながってきます。日々のニュースの見え方が変わるので、仕事で半導体にそこまで関わらなくても、世界の動きが一本の線になる感覚があります。 特に、技術と国際情勢のあいだで迷子になりがちな人に刺さる本です。
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出版社による紹介
米中対立の激化に伴い、戦略物資としての半導体の価値が高まっています。米バイデン政権は政府助成による国内企業のテコ入れを急ぎ、台湾半導体の巨人TSMCの米国誘致を進め、中国のサプライチェーンを分断する政策を矢継ぎ早に打ち出しました。日本でも同様にTSMCの誘致を実現させるなど半導体産業の復興を目指した国家戦略が始動しています。自動車で進むCASE革命をはじめ経済のデジタル化において半導体は不可欠な存在であり、需要は高まり高度化もますます進んでいます。 経済のグローバル化が進み、半導体をはじめとするテクノロジー産業では、国際的な分業・物流が発達しました。米中で二極化する世界では、複雑化したサプライチェーンの要衝を戦略的に支配下に置かなければ、経済の安定と競争力を保てなくなっています。 政府が経済を管理する国家安全保障の論理と、市場競争に基づくグローバル企業の自由経済の論理が相克し、半導体をめぐる世界情勢はますます不透明になっていきます。 日本は20世紀に「半導体大国」と呼ばれ、世界の市場を席巻しました。だが、米国、韓国、台湾との競争に破れ、かつての権勢は見る影もありません。大きく変わる国際情勢の中で日本に再びチャンスは訪れるのでしょうか。半導体産業の復興を夢見て、水面下では政府、企業がにわかに動き始めています。 本書は、米中対立の情勢分析、最先端の技術開発の現場ルポ、過去の日米摩擦の交渉当事者の証言などを交えながら、技術覇権をめぐる国家間のゲームを地政学的な視点で読み解き、日本の半導体の将来像を展望します。
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