
ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫)
村上春樹
新潮社 / 2023-05
この本について
最近、ときどき自分の立っている場所がわからなくなることがあります。何を選んでも正しいのか間違いなのか判断がつかなくて、気づいたら「先が見えない」という感覚だけが残っているような日です。あとで振り返って初めて意味がわかったり、いろんな出来事が裏でつながっていたりするのに、その最中にいるときはただ不安だけが濃くなる。そんな経験、けっこうあるんじゃないでしょうか。 『ねじまき鳥クロニクル』を読んでいると、その“不安の途中にいる感じ”が妙に正直に描かれていて、なぜか自分のことを見ているような気持ちになります。登場人物たちが、自分の意思とは関係ない力に引っぱられているように感じたり、歴史や誰かの選択が静かに自分へ流れ込んできたりするあたりは、現実の私たちにもじわっと重なるところがあると思うんです。夜中に一人で怖くなる場面の言葉なんて、誰にも言えない弱さをそっと代わりに語ってくれているようでした。 そして、この物語が少し効いてくるのは、答えを示してくれるからではなく、自分が見落としていた“結びつき”の感覚を思い出させてくれるところでした。どこかで誰かと、あるいは過去の出来事と、自分でも気づかないうちにつながっている。その紐をたどり直したとき、急に霧が晴れるように状況の意味が見えてくる瞬間がある。そんな視点の変化が、この作品の静かな作用だと思います。 自分の選択に自信が持てないまま、それでも前に進むしかないと感じている人に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要









