
ノルウェイの森 (講談社文庫)
村上春樹
講談社 / 200409
累計読者数37
平均ハイライト数 23.7件/人
star総合評価 69/100
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この本について
人間関係で少し行き詰まっているとき、「気持ちはあるのに、言葉にすると全部ずれてしまう」とか、「相手のことを思い出したいのにだんだん輪郭が薄れていく」みたいな、説明しにくいモヤモヤが出てくることがあります。僕自身もよくそこで足が止まってしまうのですが、そんなときに思い出すのが『ノルウェイの森』でした。 この小説に出てくるのは、劇的な答えではなく、むしろ曖昧さや迷いそのものです。登場人物たちは、自分の気持ちをうまく扱えず、相手に届かない言葉をくり返し、それでも一緒に歩いたり黙ったりしていきます。その不器用な時間の積み重ねが、読んでいる側に「こういう揺れの中でしか見えてこないものもあるんだな」と気付かせてくれるんです。哀しみが簡単には癒えないことを受け入れる場面もあって、避けてきた気持ちと静かに向き合うきっかけになります。 特に刺さるのは、誰かとの距離がうまく測れずに戸惑っている人や、過去の記憶の扱い方に迷っている人だと思います。きれいごとではなく、時間とともに変わってしまう感情や記憶のリアルさがそのまま置かれているので、自分の感情も少しそのまま置いてみようかな、という気持ちになれる作品です。
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