
雪国 (角川文庫)
川端 康成
新潮社 / 2022-05-27
累計読者数18
平均ハイライト数 2.4件/人
推定読了時間 約2時間30分
star総合評価 44/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 34%
この本について
人間関係でも仕事でも、「相手のことを分かったつもりでいるけれど、本当は自分の感傷を投影しているだけかもしれない」という場面ってありますよね。距離を取っているつもりなのに、心のどこかでは勝手に物語をつくってしまうあの感じ。頭では整理できていても、感情はいつも別の動きをする。そのギャップに少し疲れる時があります。 『雪国』を読んでいる人がよく保存している箇所を見ると、まさにその「感情と現実のずれ」に刺されている印象があります。相手を前にしても輪郭がつかめず、記憶や想いの方が濃くなってしまう瞬間。人の死や別れを前にして、自分でも説明できない反応をしてしまう場面。あるいは、ふとした動作や風景が、やけに胸に引っかかってしまうこと。川端康成の描く情景は、そういう“自分の中の曖昧さ”をそのまま静かに照らしてきます。 この小説が効いてくるのは、何か答えをくれるからではなく、自分でもうまく説明できなかった感覚に名前を与えてくれるからだと思います。例えば、ただの風景が急に異様に見える瞬間の正体とか、相手を理解したいのに距離が縮まらない苦さとか、よく分からないまま胸に残る後味のようなもの。それらを「そんなこともあるよね」と受け止められる余白が生まれるんです。 自分の感情の動きに対して、言語化できないもやもやを抱えている人。そんな人には静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
新緑の山あいの温泉で、島村は駒子という美しい娘に出会う。駒子の肌は陶器のように白く、唇はなめらかで、三味線が上手だった。その年の暮れ、彼女に再び会うために、島村は汽車へと乗り込む。すると同じ車両にいた葉子という娘が気になり……。葉子と駒子の間には、あるつながりが隠されていたのだ。徹底した情景描写で日本的な「美」を結晶化させた世界的名作。ノーベル文学賞対象作品。(解説・竹西寛子、伊藤整、堀江敏幸)
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