
風の歌を聴け (講談社文庫)
村上春樹
講談社 / 2004-09-15
累計読者数57
平均ハイライト数 7.8件/人
推定読了時間 約1時間58分
star総合評価 56/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 38%
この本について
何をしても「これで合ってるのか」と心のどこかがざわつく日ってありますよね。自分だけ劣っている気がしたり、過去の選択を振り返ってため息が出たり。整理しようとしても、言葉にならないまま胸の奥に沈んでいく感じ。僕自身もそこで長くつまずくことが多いのですが、『風の歌を聴け』を読むと、その濁りが少しだけ動き始めます。 この本は、人生の答えをくれるタイプの作品ではありません。でも、抜粋にもある「強い人間なんてどこにもいない」という視点だったり、「あらゆるものは通りすぎる」という距離感だったり、肩に入りすぎていた力を抜かせてくれる瞬間がいくつもあります。村上春樹の初期らしい乾いたユーモアもあって、重たいテーマを扱いながらも日常にちゃんと接地しているんですよね。自分の弱さを否定しないまま前に進むにはどうしたらいいのか、そのヒントが静かに転がっている感じがします。 特に刺さるのは、完璧さを目指して勝手に疲れてしまうタイプの人です。うまくできない自分を責めがちなとき、この物語の少し不器用で、それでも続いていく日々が、現実と折り合うための呼吸の仕方を教えてくれます。読んでいる間だけでも、世界の輪郭が少し柔らかくなる。そんな一冊でした。
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出版社による紹介
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
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