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終末のフール (集英社文庫)

終末のフール (集英社文庫)

伊坂幸太郎

集英社 / 2009-06-26

累計読者数7
平均ハイライト数 12件/人
推定読了時間 約4時間16分
star総合評価 56/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 45%

この本について

仕事でも人間関係でも、「正しさ」と「本音」の間で揺れることが多いなと思います。強がりたいのに弱さが出たり、誰かを許したくないのに、心のどこかで少しだけ緩む瞬間があったり。そんな自分の揺れ幅に疲れてしまう時があります。 『終末のフール』を読むと、その揺れが少しだけそのままでよくなるんですよね。登場人物たちはみんな、あと三年で世界が終わるという極端な状況にいながら、やっていることは驚くほど日常的で、人としての癖や迷いがそのまま出てくる。例えば、苗場さんが「俺は、俺を許すのか?」と自分に問いかける姿には、立派な答えを探すんじゃなくて、まず自分と向き合うところから始めればいいんだな、と静かに背中を押されます。あるいは、兄弟のわだかまりがふと緩む場面では、関係って劇的に変えるんじゃなくて、ある一言でようやく呼吸ができるようになることもあるよな、と妙に納得させられます。 世界の終わりという大きすぎる設定のはずなのに、読後に残るのは「人ってこういうところあるよね」という質感なんですよね。誰も英雄ではないし、誰も完全ではない。だからこそ、現実の私たちにもそのまま持ち帰れる視点が多い。強くなりたいのに強くなりきれない人、他人に優しくしたいのに余裕がない人、自分の弱さを責め続けてしまう人には、とても静かに効いてくる本だと思います。 「うまくやれない自分も、生きている限りそのまま抱えていくしかないよな」と思っている時に、そっと横に座ってくれるような一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは? 今日を生きることの意味を知る物語。
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