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さよならジャバウォック

さよならジャバウォック

伊坂幸太郎

双葉社

累計読者数17
平均ハイライト数 5.8件/人
推定読了時間 約4時間24分
star総合評価 53/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 45%

この本について

人間関係で勝手に落ち込んだり、誰かの言動に振り回されて「なんでこうなるんだろ」と思う時ってありますよね。相手の性格なのか、環境なのか、それとも自分の受け止め方の問題なのか。考え始めると堂々巡りになって、正しさも優しさもよく分からなくなる、みたいな。 『さよならジャバウォック』を読んでいて強く感じたのは、人の行動に“理由がほしい気持ち”をそっと扱ってくれる物語だということです。たとえば「他人と過去は変えられない。でも自分と未来は変えられる」という言葉は、状況を切り開くためというより、まず“自分の力が及ばないもの”を認めるためにあるように思えました。また、テストステロンや種の本能の話が何度も出てきますが、「人間の残酷さをホルモンのせいにしたい」という揺れは、多くの人が心のどこかで抱えているものだと思います。責任を押し付けたい気持ちと、それでは片付かない現実。その間で揺れている人物たちに、自分の影を見ました。 さらに印象的だったのは、「個としての尊厳」と「集団としての本能」が同時に存在してしまうというややこしさを、物語全体が静かに描いているところです。「敵だと思えば残忍になれる」という指摘は耳が痛いけれど、目をそらせない。自分も同じ構造の中にいると理解すると、誰かを単純に断罪する気持ちが少しだけ落ち着く気がしました。 自分や他人を“分かったつもり”になるとしんどくなる人。そんな人にこそ、この物語のゆらぎがじんわり効くと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

<デビュー25周年>渾身の書き下ろし長編ミステリー! 結婚直後の妊娠と夫の転勤。その頃から夫は別人のように冷たくなった。彼からの暴言にも耐え、息子を育ててきたが、ついに暴力をふるわれた。そして今、自宅マンションの浴室で夫が倒れている。夫は死んだ、死んでいる。私が殺したのだ。もうそろそろ息子の翔が幼稚園から帰ってくるというのに……。途方に暮れていたところ、2週間前に近所でばったり会った大学時代のサークルの後輩・桂凍朗が訪ねてきた。「量子さん、問題が起きていますよね? 中に入れてください」と。
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