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大きな鳥にさらわれないよう (講談社文庫)

大きな鳥にさらわれないよう (講談社文庫)

川上弘美

累計読者数6
平均ハイライト数 23.2件/人
推定読了時間 約8時間16分
star総合評価 65/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 49%

この本について

ときどき、自分の気持ちが自分でもよくわからなくなることがあります。誰かを好きなのか嫌いなのか、何かを信じているのかいないのか、生きている意味がちゃんとあるのかどうか。答えは欲しいけれど、そもそも答えなんてあるのかというところで足が止まる。そんな時期にこの本を読むと、少しだけ肩の力が抜けました。 人の心が「底なし」だという描写に、僕はけっこう救われました。深いところまで理解しようとしたって、結局わからないものはわからない。その混沌ごと抱えて生きていくことを、この物語の登場人物たちは淡々とやっています。また、人間の「愛する」と「憎む」がきれいに分かれて存在しているわけじゃなくて、ぐちゃぐちゃに溶け合っているという視点も、日常の人間関係にそのまま持ち帰れる感覚でした。あの人を完全に理解できないのも、自分の感情が一つに決まらないのも、まあ当たり前なのかもしれないなと。 さらに、世界とか人類とかいう大きな単位を前にしたとき、「自分と自分のよく知っている人を心配できたら十分じゃないか」という言葉が妙に刺さります。全部を理解しようとしたり、救おうとしたり、正しさを求めたりするときほど、自分が勝手に疲れていく。その視野の戻し方を、この物語は静かに提示してくれる気がします。 人間の心の複雑さを前向きとも後ろ向きとも言わずに、ただ「あるもの」として見つめたい人に向いている一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

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