
一人称単数 (文春e-book)
村上 春樹
文藝春秋 / 2023-02-07
累計読者数8
平均ハイライト数 12件/人
推定読了時間 約2時間38分
star総合評価 45/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 13%
この本について
最近、自分の気持ちが追いつかないまま日常だけが進んでいく感覚があって、ふと立ち止まる瞬間が増えました。昔描いた夢がもう効かなくなっているような気がしても、かといって次の指針がすぐに見つかるわけでもない。人を好きになることすら、説明のつかない波みたいにやって来て、去っていく。そういう曖昧さをどう扱えばいいのか分からなくなるときがあります。 『一人称単数』を読んでいると、その「説明のつかなさ」を無理に整理しなくていいんだと思えてきます。何が正解か断言しないまま、でも確かに胸に残る言葉がいくつもある。例えば、夢が静かに死んでいく感覚をただ受け止める主人公の姿や、老いを正面から見ることで、今の自分の位置を少しだけ認められる感じ。あるいは、よく分からないまま心をかき乱す出来事を、大きな波の下をくぐるみたいにやり過ごせばいいという視点も、実生活で何度か思い出しました。 特に「むずかしいことを考えるために頭がある」というフレーズは、行き詰まりの正体が“自分の中でまだ言葉になってないもの”だと気づかせてくれる。日々のモヤモヤがそのまま価値になるかもしれない、という受け止め方に少し救われます。 肩の力を抜いて、自分の気持ちと距離を取りたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。 ——8作からなる短篇小説集、待望の文庫化! ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。 同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。 鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。 スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感——。 そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。 「一人称単数」の世界にようこそ。 ※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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