
また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)
住野よる
双葉社 / 201809
この本について
最近、うまく言葉にできない気持ちを抱えたまま一日が終わることが多くて、なんとなく「自分の人生ってこれで合ってるのかな」と立ち止まってしまう瞬間があります。大きな問題じゃないのに胸の奥に残るざらざらした感じ。誰かに話すほどでもないけれど、放っておくとじわっと重くなる、あの感じです。 『また、同じ夢を見ていた』を読んで救われたのは、そのざらつきを無理に解決しようとしないまま、「人生ってこういうふうに捉えてみてもいいんだよ」と、そっと視点をずらしてくれるところでした。人生をスイカやお弁当、冷蔵庫の中身みたいな身近なものに例える場面がたくさん出てきますが、どれも突飛に見えて、実はものすごく現実的で、いまの自分の生活にそのまま置き換えられる不思議な温度があります。飲み込めない気持ちがあっても、そのタネがどこかで芽を出すかもしれない、という優しい考え方に触れるだけで、少しだけ呼吸がしやすくなるんですよね。 もうひとつ、この物語が効いたのは「幸せはあっちからやってくるものじゃなく、自分で選びにいくもの」という静かな示唆でした。大げさな決意はいらなくて、今日の自分が選ぶ言葉や態度の積み重ねでいい。誰かの隣の席に座ることを、自分で選べること。それだけで、世界の明るさが変わる瞬間があると気づかされます。 小さな違和感を抱えたまま毎日を歩いている人、あるいは「うまく言えないけれど疲れている人」に、とても静かに刺さる物語だと思います。抽象的な励ましではなく、生活の中にそのまま置ける言葉がほしいときに、そっと開いてみてほしい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
読書の順序
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