
望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)
ヤマザキマリ
Gentosha / 2012-03
この本について
旅先で出された料理に身構えてしまったり、年齢を重ねることへの不安が急に押し寄せたり、あるいは「日本人らしさ」って一体何なんだろうと考え込んでしまったり。日常のどこかでふと立ち止まる瞬間、ありますよね。僕もよくあります。でもその感覚を、少しだけ軽くしてくれる本に出会いました。 『望遠ニッポン見聞録』は、いろんな国で暮らしてきたヤマザキマリさんの視点を通して、「ああ、自分の感じていたモヤモヤってこんなふうに世界の中で位置づけられるんだ」と腑に落ちる瞬間が多いんです。例えば、土地の食べ物を受け入れることがその場に溶け込む第一歩だという話。これって海外だけじゃなく、職場でも家庭でも同じで、相手の背景を丸ごと味わってみる姿勢が信頼につながるんだと気づかされました。また、イタリアやブラジルの女性たちの姿を描くパートは、年齢を重ねるほどに漂うゆとりや強さが美しさになるという、ごく当たり前なのに忘れがちな真実を思い出させてくれます。 そして、日本のトイレの話やビール文化の話にしても、「自分たちの当たり前をこんな角度で見ると面白いのか」と素直に笑えて、肩の力が抜けます。異文化を比較しているようでいて、実は自分の感覚のほうがほぐれていく本なんですよね。 自分の価値観がちょっと凝り固まってきたなと思う人、あるいは「他の国と比べるときに、もっと自然体でいたい」と感じている人に、静かに沁みる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
読書の順序
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