
国境のない生き方 -私をつくった本と旅-(小学館新書)
ヤマザキマリ
小学館 / 2015-04-06
この本について
最近、今の場所にじっとしているだけでは何も変わらない気がするけれど、かといって大きく動く勇気も出ない…そんな空気を抱えている人、多いと思います。僕もよく同じところで立ち止まってしまうのですが、そんな時にヤマザキマリさんの言葉に触れると、妙に身体が前に出やすくなるんですよね。頑張れと背中を押されるのではなく、「とりあえず動いてみたら、意外と世界は自分に優しいかもしれないよ」と肩越しに言われるような温度感で。 この本が効くのは、まず“移動”という行為の見え方が変わるところです。問題を解決するためではなく、自分が何に縛られていたのかを知るために動いてみる。読者が抜粋していた「遠くの美しさを思い描けば、足元の小石は気にならない」という感覚は、まさに視点を数センチずらすだけで呼吸が楽になる瞬間に近いものがあります。さらに、環境にプラスがないなら探しに行けばいいという姿勢も、不安より好奇心が少し勝つだけで、現実の選択肢がひらけてくるんですよね。 もうひとつは、人との距離の取り方に関する示唆です。バーチャルで言葉を投げるより、実際に会って話すことでしか得られない “混ざり合う感じ” を大事にしているところが、ちょっと忘れかけていた感覚を思い出させてくれます。知識や教養が、人との距離を縮めるためのものだという視点も、そのまま日常に持ち帰れるはずです。 停滞感が続くけれど、大きな宣言をするほどのエネルギーはない…そんな人に静かに刺さる一冊です。自分の輪郭を少しだけ広げたい時に。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
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