
たちどまって考える (中公新書ラクレ)
ヤマザキマリ
この本について
最近、「何が正しいのか分からないまま流されている気がする」とか、「他人の意見ばかり気にして、自分の考えがどこにあるのか曖昧になる」という声をよく聞きます。僕自身も、判断に迷うたびにネットの誰かの言葉に寄りかかりたくなる瞬間があります。でも、それだと結局しっくりこないままなんですよね。 『たちどまって考える』は、そのモヤモヤに真正面から向き合うよう促してきます。強く背中を押すというより、「一度、自分の声を拾い直してみない?」と静かに誘ってくる感じです。著者が繰り返し語っているのは、人間にとって最終的に頼れるのは自分自身だということ。そして、そのためには冷静な自分を内側に育てることが、思っている以上に現実的な助けになるという視点でした。ストレスで感情が暴走しそうなとき、自分を少し外側から眺めるだけで態度や判断が変わる感覚は、読んだあとすぐ日常で試せる部分だと思います。 さらに印象的だったのは、「失敗や弱さにどう向き合うか」というところ。日本では失敗が強く忌避されがちですが、著者はむしろそれを経験しないと成熟しない、と歴史や文化の例を挙げながら語ります。自分の情けなさやつまずきを、ただの損失ではなく、あとで確かに力に変わるものとして捉え直せる視点は、息が詰まりがちな今の空気の中ではかなり救いになるはずです。 自分の考えを取り戻したい人、世間の基準から一歩距離を置きたい人に、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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