
“それ”は在る
ヘルメス・J・シャンブ
ナチュラルスピリット / 2013-05-01
この本について
最近、考え事が止まらなくて疲れることがありませんか。頭の中で自分の声が騒ぎ出して、静かにしたいのに余計うるさくなるあの感じです。僕もよく迷うのですが、「じゃあ、この騒がしさの正体って何なんだろう」と思った時に手に取ったのが「“それ”は在る」でした。 この本が面白いのは、思考を止めようとか、前向きになれとか、そういう方向にいかないところです。むしろ、騒ぐ思考を追いかけずに「観ている側」に戻る、という視点が丁寧に繰り返されます。たとえば、痛みや不安があっても「痛いのは身体であって、自分ではない」と気づくこと。あるいは、青空の前を雲が流れるように、思考が勝手に動いていくのをそのままにしておくこと。この“距離の取り方”が、日常の余白を少し広げてくれる感覚があります。 読んでいて感じたのは、「理解したつもりになった瞬間、また違う理解がやってくる」というあたりの誠実さです。霊性とか悟りといった言葉に飛びつくのではなく、ただ自分の内側で起きていることを見守るだけ。その地味さが逆に安心しました。大きく変わらなくても、今ここで立ち止まるだけでいいのかもしれません。 自分の思考と距離を置きたい人、ずっと考え続けて疲れてしまった人には特に沁みる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
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