
わたしのマトカ
片桐はいり
累計読者数9
平均ハイライト数 2.4件/人
star総合評価 50/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 60%
この本について
日々の生活に追われていると、些細な理不尽にすぐ反応してしまったり、気分に余裕をなくして前のめりに生きてしまうことがあります。どこにも大きな不満があるわけじゃないのに、なんとなく肩がこわばっている感じ。そんな時に、世界のどこかで自分とは違うリズムで暮らしている人や風景に触れると、少しだけ呼吸がしやすくなることがあります。 『わたしのマトカ』は、旅行記ではあるのですが、観光ガイドではなく、著者が現地で感じた「温度」をそのまま差し出してくるような本です。例えば、野生みたいな味のいちごに驚いたり、まずい酒を「ブスだけど性格が良い」と形容したり、乗り物に不安でメモ帳を駆使したり。そういう細かい瞬間の積み重ねが、読む側の感覚をゆるめてくれるんですよね。そして、理不尽に反応しすぎていた自分に気づいたり、都会のストレスが少し色あせて見えたりする。著者の「余裕という武器」に触れると、自分の構えも自然とゆるむような感覚があります。 旅に出ないと手に入らない話ではなく、「知らない場所では、誰でも不器用で、誰でも面白い」という視点が、自分の生活にも戻ってくる本です。ちょっと人間関係に疲れていたり、最近なんでも効率で考えすぎている気がする人には、特に刺さると思います。 大げさな希望をくれる本ではないけれど、読んだあと、自分の生活の景色が少しだけ違って見える。そんな静かな変化をくれる一冊です。
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