
いつも旅のなか (角川文庫)
角田 光代
KADOKAWA / 2008-05
累計読者数10
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約3時間48分
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 37%
この本について
気づけば、日常で自分がどこに向かっているのかわからなくなる瞬間ってありますよね。仕事でも人生でも、「ここで合ってる?」みたいな空洞のような感覚がふっと出てきて、でも何をしたら埋まるのかはわからない。そんなときに、旅の記憶や知らない土地の空気が、なぜか自分を少しだけ前に押してくれることがあります。 『いつも旅のなか』が効いてくるのは、まさにその「漂っている感じ」に寄り添ってくれるところだと思いました。たとえば、方向音痴のままフィレンツェを歩き回り、地図を見ないほうが自由に迷えると気づく場面。あるいは、廃墟の時間がそのまま美しさになると目を奪われる瞬間。どれも大げさなドラマではなく、ふとした体験の中で視点が少しずつ動いていく感じが、日々の迷いにもそのまま重なるんですよね。さらに、誰かが連れていってくれるのを待つんじゃなく、みみっちくても自分で動き出すしかない、でも必ず差し出される手もある…という実感の描き方が、とても現実的で救われます。 大きな行動をしなくても、景色の見え方をちょっとずらすだけで、心の空洞の形が変わっていく。そんな感覚を思い出したい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
ロシアで国境の居丈高な巨人職人に怒鳴られながら激しい尿意に耐え、キューバでは命そのもののように人々にしみこんだ音楽とリズムに驚く。五感と思考をフル活動させ、世界中を歩き回る旅を、臨場感たっぷりに描く。
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