
人生の旅をゆく
よしもとばなな
幻冬舎 / 2016-02-09
この本について
仕事に追われている時期って、つい「効率よく動かなきゃ」「時間もお金も無駄にできない」と身を縮めてしまいがちです。人間関係でも、相手の不在や不親切を前提に身構えてしまう瞬間があったりして、なんとなく世界が小さく見えてしまう。僕もよくその状態に陥るのですが、そんな時にふっと心が広がったのが『人生の旅をゆく』でした。 この本は、旅の思い出や食べ物の味、誰かのたたずまいといった一見ささやかな出来事が、実は人生の感度を大きく変えてくれることを静かに思い出させてくれます。例えば、お金の心配を抱えつつも「まずくて安いもので生き延びるだけなら意味がない」と語る場面は、贅沢をしようという話ではなく、時間と気持ちにけちけちしない姿勢を持つだけで、日常が少し明るくなるという話なんですよね。また、「生き生きしている時は愛情も増える」という言葉も、無理にポジティブになれと言うのではなく、心が開いている瞬間にだけ見えてくる世界があることを思い出させてくれます。 何より刺さったのは「思い出は自分だけのものすごい財産だ」という視点でした。どんなに好きでももう行けなくなる場所がある、だから今日の一瞬をちゃんと拾っておこうという感覚。これは旅をしなくても、日常の中で味わう空気や人の表情にも当てはまるなと思います。閉じこもりがちな時期ほど、少しだけ外の世界に心を開くためのきっかけになるはずです。 自分の世界が最近ちょっと固くなってるな、と思う人に特に届く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの67%が集中しています。
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