
スピリチュアルズ 「わたし」の謎 (幻冬舎単行本)
橘玲
この本について
人間関係でモヤモヤするときって、相手の性格とか自分の性格とか、どこまでが自分のせいで、どこからがどうしようもない生き物としての仕組みなのか、境界がよくわからなくなるんですよね。共感できない自分に落ち込んだり、逆に人に影響されすぎる自分に嫌気がさしたり。気づけば「なんでこうなんだろう」をずっと考えている、みたいな。 この本は、そういうところに静かに効いてきます。たとえば、共感が必ずしも「善」ではなく、ときに道徳をゆがめることもあるという話は、自分の反応を責めすぎないための余白をくれます。あるいは、遺伝子によって「よい環境にも悪い環境にも敏感すぎる」タイプがいるという説明は、気質の強さに思い当たる人にはかなり腑に落ちます。さらに、アイデンティティは誰かを排除することでしか確立できない、という厄介な仕組みを知ると、SNS や職場で起きているあのギスギスに、ちょっと違う視点を持てるようになります。 とはいえこの本は「生き方」を教えてくれるようなタイプではなく、自分を構成する材料を一段深いところから理解させてくれる感じです。うまく言えない生きづらさの正体を、科学と進化の話を通して輪郭づけてくれる。そういう意味で、日々の感情に振り回されやすい人ほど刺さると思います。 「なんとなく自分の取扱説明書がほしいな」と思っているときに手元にあると、少しだけ呼吸がしやすくなる一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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