
無理ゲー社会(小学館新書)
橘玲
文響社 / 2021-08
この本について
最近、「努力しているつもりなのに、社会のルールそのものが変わってきていて追いつけない…」みたいな感覚をもつ人、多いと思います。働き方も、家族のあり方も、テクノロジーの速度も、自分の判断だけではどうにもならないところが増えていて、どこに正解があるのか分からなくなるんですよね。僕も同じようにモヤモヤして、この本にたどり着きました。 『無理ゲー社会』は、いま起きている変化を「ただのニュース」ではなく、自分の生活にどう影響してくるのかまで含めて考えさせる一冊です。たとえば、テクノロジーが加速するとUBIのような“聞こえのいい理想”がなぜ機能しにくいのか、若者向けの雇用政策がなぜ「自分の尊厳」という問題につながるのか、あるいは「自分らしく生きる」という価値観がそもそもどれほど新しく、どれほど脆い前提の上に成り立っているのか。こういう現実を突きつけられると落ち込むかもしれませんが、自分がどこで立ち止まっているのかはかなりクリアになります。 読んでいて特に刺さったのは、「お金は分配できても、評判は分配できない」という指摘です。格差とか努力論みたいな大きい話じゃなくて、日々の仕事の重さをそのまま言語化してくれたように感じました。そしてもう一つは、知能や才能の格差がテクノロジーでさらに広がるという予測に対して、僕らは“どう立ち回るか”を考えざるを得ないということ。この本は希望を盛るタイプではないですが、現実を把握したうえで次に何を選ぶか、そこだけは確実に前向きにしてくれます。 「社会の変化に置いていかれている気がするけれど、単なる励ましより現実を知りたい人」に刺さると思います。僕と同じように迷っている人には、わりと深く効きます。
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