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紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ケン リュウ and 古沢 嘉通

早川書房 / 2015-04-25

累計読者数15
平均ハイライト数 8.9件/人
推定読了時間 約5時間53分
star総合評価 48/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 20%

この本について

最近、人との関わり方に妙な疲れを感じることが多くて、「自分ってどこに立っているんだろう」と立ち位置がぼんやりする瞬間が増えました。個人で完結しているように見えて、実際は誰かの歴史や感情や選択のうえに立っている。そのことに気づくと少し気が重くなるけれど、同時に心が静かになることもあります。 『紙の動物園』を読んでいて強く感じたのは、ケン・リュウはその「網の中にいる感覚」をまっすぐ描く作家だということです。日本語や文化への深い観察には、外から見た鋭さと、内側に寄り添おうとする温度が同居していて、自分の見慣れた風景を新しく照らしてくれます。もののあはれの説明にしても、観念ではなく、生きることと死に近さの中でどう心が動くのかを丁寧に拾ってくれるので、読んでいて変に構える必要がありません。 さらに効いたのは、「個々の石はヒーローではないけれど、ひとつにつどった石はヒーローにふさわしい」という視点です。孤立しているように見える毎日でも、いつのまにか大きな流れの一部になっている。そう思うと、自分の行動が極端に小さく見えても不思議と気持ちが折れません。人生が一直線ではなく、円弧として完成していくという受け止め方も、いま焦りを抱えている僕には心地よかったです。 「自分という個人がどこまで自分なのか」に少しでも引っかかる人に、とても刺さる短編集だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

〈ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞受賞〉ぼくの母さんは中国人だった。母さんがクリスマス・ギフトの包装紙をつかって作ってくれる折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動いていた……。ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作ほか、地球へと小惑星が迫り来る日々を宇宙船の日本人乗組員が穏やかに回顧するヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、中国の片隅の村で出会った妖狐の娘と妖怪退治師の「ぼく」との触れあいを描く「良い狩りを」など、怜悧な知性と優しい眼差しが交差する全15篇を収録した、テッド・チャンに続く現代アメリカSFの新鋭がおくる短篇集

目次

紙の動物園 月へ 結縄 太平洋横断海底トンネル小史 心智五行 愛のアルゴリズム 文字占い師
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