
ドグラ・マグラ
夢野 久作
講談社 / 2024-01-15
この本について
最近、自分の考えていることが本当に「自分の意思」なのか、ふと立ち止まってしまう瞬間がありませんか。忙しくしているほど、判断も感情も反射的に流れていって、「これって脳みその自動運転なんじゃないか」と妙に空しくなることがあります。そんなモヤモヤに、変に前向きにするでもなく、ただ視点をひっくり返してくるのが『ドグラ・マグラ』でした。 この本に刺さっている方の抜粋を見ると、「精神は物質也」や「脳髄は悪魔中の悪魔ソレ自身」といった、脳と意識の関係への徹底した疑いを面白がっているように感じます。読みながら、自分の思考がどこから来ているのか確信が揺らぐ感覚があって、日々の悩みが「そもそも脳の反射にすぎないのでは」と位置づけ直されるのが、この作品の効き方だと思います。夢の描写を通して、全身の細胞がそれぞれに意識を持つという考え方にも触れられ、普段当然と思っていた「自分」というまとまりがぐらつくのも面白いところです。 読み終えてスッキリする類の本ではないですが、自分の思考の出どころに一度疑問符をつけてみたい人には深く刺さります。考えすぎて堂々巡りになりがちな時に、一度この混沌に身を浸すと、少なくとも「いま感じている混乱そのもの」を俯瞰できるようになる気がしました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
読書の順序
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