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ドグラ・マグラ

ドグラ・マグラ

夢野 久作

講談社 / 2024-01-15

累計読者数30
平均ハイライト数 18.9件/人
推定読了時間 約3時間26分
star総合評価 52/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

最近、自分の考えていることが本当に「自分の意思」なのか、ふと立ち止まってしまう瞬間がありませんか。忙しくしているほど、判断も感情も反射的に流れていって、「これって脳みその自動運転なんじゃないか」と妙に空しくなることがあります。そんなモヤモヤに、変に前向きにするでもなく、ただ視点をひっくり返してくるのが『ドグラ・マグラ』でした。 この本に刺さっている方の抜粋を見ると、「精神は物質也」や「脳髄は悪魔中の悪魔ソレ自身」といった、脳と意識の関係への徹底した疑いを面白がっているように感じます。読みながら、自分の思考がどこから来ているのか確信が揺らぐ感覚があって、日々の悩みが「そもそも脳の反射にすぎないのでは」と位置づけ直されるのが、この作品の効き方だと思います。夢の描写を通して、全身の細胞がそれぞれに意識を持つという考え方にも触れられ、普段当然と思っていた「自分」というまとまりがぐらつくのも面白いところです。 読み終えてスッキリする類の本ではないですが、自分の思考の出どころに一度疑問符をつけてみたい人には深く刺さります。考えすぎて堂々巡りになりがちな時に、一度この混沌に身を浸すと、少なくとも「いま感じている混乱そのもの」を俯瞰できるようになる気がしました。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。 「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる 夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。 第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。 第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。 本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。
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