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熊と踊れ 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

熊と踊れ 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

アンデシュ ルースルンド、ステファン トゥンベリ、ヘレンハルメ 美穂、羽根 由

早川書房 / 2016-09-15

累計読者数3
平均ハイライト数 1.7件/人
推定読了時間 約7時間13分
star総合評価 36/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 63%

この本について

日々ちゃんと生きているつもりなのに、家族との距離感とか、自分の居場所とか、どこかしら噛み合わないまま続いていく感じってありますよね。表に出ないだけで、みんなそれぞれ背景や事情を抱えていて、でもそれを他人は知らない。自分がどう見られているかと、本当の自分がどこにいるのかのズレに、ふと疲れるときがあります。 『熊と踊れ 上』を読んでいて刺さるのは、登場人物たちが“正しさ”とは別のところで必死に選択してしまう、その生々しさです。息子の未来を思いながらも、自分の生き方を変えきれない父。誰かを頼りにせざるをえない生活の中で、どこまでを自分の判断として引き受けるのか揺れる若者。銃や暴力といった極端な道具が出てきても、描かれているのは結局「実在する自分をどう扱うか」という問いなんだと思います。キャラクターの行動一つひとつが、理屈よりも感情と環境の積み重ねで決まっていく感じがリアルで、読んでいる側も他人事として距離を置けなくなります。 この物語のいいところは、犯罪小説でありながら、登場人物たちの“変われなさ”や“変わりたい気持ち”がきちんと地に足ついた温度で描かれているところです。大きな教訓があるというより、彼らの選択を追っていくうちに、自分の中の言い訳や限界にも少しだけ目が向く。何を選んでも完全ではないけれど、選ぶしかない場面って確かにあるよな、と静かに思わされます。 他人の事情と自分の事情の境界が曖昧に感じている人、あるいは“実在する自分”をどう扱っていいかわからなくなる瞬間がある人に、じわっと効く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

【ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品】凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人兄弟。独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。その目的とは史上例のない銀行強盗計画を決行することだった——。連続する容赦無い襲撃。市警のブロンクス警部は、事件解決に執念を燃やすが……。はたして勝つのは兄弟か、警察か。スウェーデンを震撼させた実際の事件をモデルにした迫真の傑作。最高熱度の北欧ミステリ。
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