
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
加納 新太, 田中 将賀, 朝日川 日和, and 新海 誠
KADOKAWA / 2018-02-23
この本について
仕事でも生活でも、自分の意思がどこに向かっているのかよく分からなくなるときがあります。周りの価値観に合わせて振る舞っているうちに、本当に感じている違和感が置き去りになっていくあの感じです。誰かが悲しんでいるのに周囲だけ妙に平然としている場面に出くわしたときの、あの「自分だけ何かずれているのか?」という戸惑いにも少し似ています。 『君の名は。 Another Side:Earthbound』の抜粋を読んでいると、まさにその「ずれ」を抱えた人たちの視点が丁寧に描かれていて、読者がそこに強く反応しているように感じます。伝統や信仰に囲まれた町の中で、自分の感覚だけが浮いてしまう俊樹の迷い。大事な人の死なのに、みんながそれを「仕方ない」と処理してしまう不気味さ。そして、三葉が日々きっちり髪を結うことで、なんとか自分を保っている姿。こういう「声にならない違和感」が、この本では具体的な場面として描かれていて、読んでいるこちら側の心にもそのまま刺さります。 この物語が効くのは、神話や風習の豆知識が面白いからというよりも、自分の中にあるもやっとした感情を、物語の登場人物が代わりに掘り起こしてくれるからだと思います。家族との距離感に悩んでいる人や、地元の空気に馴染めないまま大人になった人には、とくにしっくりくるはずです。 「周囲と自分の感覚が噛み合わないとき、どう振る舞えばいいのか分からない」という人に届く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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