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現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

福澤諭吉、齋藤孝

累計読者数15
平均ハイライト数 12.9件/人
star総合評価 56/100
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この本について

仕事でも人生でも、どっちにつくべきか決めきれず、誰の意見を信じればいいのか分からなくなる時があります。周りが盛り上がっている方向に自分は乗り切れない。かといって反対側にも立てない。そんな「どこにも居場所がない感じ」を抱えたまま、目の前のことだけ淡々とやるしかない時期ってありますよね。 『現代語訳 福翁自伝』を読むと、その宙ぶらりんの感覚が少しだけ軽くなります。福澤諭吉自身、幕府にも勤王にも寄れず、ただ「開国と文明」という一点だけを信じて進んでいく。その間、語り合える仲間もほとんどいない。なのに歩みだけは止めない。この姿勢は、なにか大きなことを成し遂げようという話ではなく、「自分が納得できる方向へ、黙って続けていい」という許可のように感じます。眠いなら机で寝落ちしながらでも読み続ける、分からないなら分かるまで外国人に笑われながら学ぶ、そんな愚直さが妙に現実的で、変に力まなくていいと思わせてくれるんです。 もう一つ印象に残るのは、他人と争わない距離感の取り方です。議論はするけれど本気の衝突はしない。相手が義士と言えば不義士を名乗ってみせる、その余白のある姿勢が心地よい。今の私たちがしんどくなるのって、何かの立場を決めさせられる時が多いからかもしれません。彼の「中立独立」という感覚は、逃げでも妥協でもなく、自分を守るための選択として自然なんだと思えます。 自分だけ遅れている気がして焦る人、周りと話が合わず孤立感を抱えている人には、静かに効く一冊です。

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