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新世界より(上) (講談社文庫)

新世界より(上) (講談社文庫)

貴志祐介

講談社 / 2011-01-14

累計読者数49
平均ハイライト数 11件/人
推定読了時間 約5時間55分
star総合評価 53/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 19%

この本について

仕事でも人間関係でも、相手との距離感がつかめずに疲れてしまうことがあります。怒りたくないのに苛立ったり、相手の言葉を深読みして落ち込んだり、気まずさが連鎖していく感じは、誰でも経験があると思います。自分がなぜこんなふうに反応してしまうのか、そもそも人間同士ってどう折り合いをつけているのか……そんな疑問が頭の片隅にずっと残り続けることもあります。 『新世界より(上)』は、物語の体をとりながら、人と人が衝突する仕組みや、逆に争いを抑えるメカニズムを、不気味なくらいリアルに描いてきます。たとえば、ボノボの社会がなぜ争わないのかという話や、人間が「攻撃したくてもできない」ように進化したとしたらどうなるのかという仮説が、フィクションの中で具体的な行動として立ち上がってくる。読みながら、自分がふだん抱えている苛立ちや恐れの根っこが、意外と本能的なものかもしれないと感じられて、少し肩の力が抜けました。また、記憶が都合よく書き換わる描写は、過去のすれ違いを思い返すときの「自分も相手も絶対に正しくない」という感覚に妙に重なるんです。 人との距離にいつも迷ってしまう人や、衝突を避けたいのにうまくいかない人には、とくに刺さると思います。物語としても面白いのに、読み終わるころには、自分がなぜ他人に優しくできない日があるのか、逆になぜ必死で優しくしようとするのか、そのあたりの焦点が少しだけ合ってくる本でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

夏祭りの夜に起きた大殺戮。悲鳴と嗚咽に包まれた町を後にして、選ばれし者は目的の地へと急ぐ。それが何よりも残酷であろうとも、真実に近付くために。流血で塗り固められた大地の上でもなお、人類は生き抜かなければならない。構想30年、想像力の限りを尽くして描かれた五感と魂を揺さぶる記念碑的大傑作! PLAYBOYミステリー大賞2008年 第1位、ベストSF2008(国内篇) (講談社文庫)
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