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新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)

新釈 走れメロス 他四篇 (角川文庫)

森見 登美彦

KADOKAWA / 2015-08-25

累計読者数22
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約2時間47分
star総合評価 42/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 13%

この本について

日々、人間関係の距離感とか、自分の不甲斐なさとか、どこまで本気で生きればいいのか分からなくなる時があります。まじめに向き合おうとするほど、逆に空回りしてしまうような感覚です。森見登美彦の『新釈 走れメロス』を読んでいると、その迷いそのものを笑いながら抱きしめてくれるような、不思議な安心感がありました。 この本の人物たちは、阿呆と呼ばれたり、モラトリアムを延長したり、情けなさを隠しきれなかったりします。でも彼らのぐだぐだした姿を見ていると、「人はこんなにも格好悪いままでいられるのか」と肩の力が抜けていくんです。約束の意味を見失ったり、誰かの前で強がってしまったり、自分の型を早々に決めてしまって後悔したり。そういう瞬間に心当たりがある人ほど、抜粋の言葉が刺さるはずです。特に「裏切ってもかまわん。ただ同じものを目指していればそれでいい」という一節は、関係性に必要以上の正しさを求めてしまう自分をそっとほどいてくれます。 さらに、登場人物たちの無駄に熱い魂や、理屈にならない友情のかたちが、妙に胸に残ります。綺麗にまとまっていなくても、意味が分からなくても、「そういう関係もあるのだ」と言い切る世界に触れると、自分の身近な人との距離の取り方が少し変わる気がします。情けなさを笑われるのではなく、情けなさごと肯定される物語です。 迷いながらでも前に進もうとしている人、一度立ち止まって自分の情けなさを笑いたい人に、静かに効く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

芽野史郎は全力で京都を疾走していた——無二の親友との約束を守「らない」ために!(「走れメロス」) 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! こじらせすぎた青春は、こんなにも阿呆らしく、そして気高い!! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!

目次

山月記 籔の中 走れメロス 桜の森の満開の下 百物語
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