
アランの幸福論 Propos sur le bonheur
アラン and 齋藤慎子
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2007-12-15
この本について
最近、気づけば頭の中でずっと何かをこねくり回していて、体はその場にいるのに心だけが未来や過去をさまよっているような感覚がありました。相手の反応を深読みしすぎたり、単調な毎日に飽えてしまったり、夜になっても思考が止まらず眠れなかったり。誰にでもあることだと思うのですが、そういう時期が少し続いていたんです。 そんなときに読み返したのがアランの「幸福論」でした。大げさな理想論ではなく、もっと身体のレベルからものの見方を整えていく感じがあって、自分の停滞にじわっと効いてくる内容でした。たとえば「うれしい気持ちでいるから体がぽかぽかしてくる」とか、「よく見ると景色に飽きなくなる」とか、一見素朴なんですが、実際に試すと日常の密度が変わるのを感じます。さらに「未来の不安も過去の後悔も、考えたときにだけ存在する」という指摘は、頭の中で勝手に巨大化した悩みをいったん疑ってみるきっかけになりました。行動に戻るスイッチとしても機能してくれます。 この本は、劇的に人生を変えるというより、思考が暴走しがちな日や、心がささくれそうなタイミングで、自分にとっての“現実の手触り”を取り戻す感覚に近いです。大事なのは、自分にも友人にするようにちゃんと語りかけることだ、とアランは繰り返し教えてくれます。そう言われると地味ですが、案外できていないんですよね。 悩みをひとつずつ片づけるより、まず「大げさに考える癖」を緩めたい人に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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