
ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)
森見 登美彦
KADOKAWA / 2018-06-15
この本について
仕事でも日常でも、目の前のことで手いっぱいなのに、そもそも自分は何に悩んでいるのかすら分からない。そんなときってありますよね。スイッチばかり疑っていたら、実は停電だった…みたいな、見当違いのまま動いてしまう感じです。焦っても霧は晴れないし、かといって立ち止まり続けるのも落ち着かない。僕もよくそこで迷子になります。 『ペンギン・ハイウェイ』の抜粋を眺めていると、読者の多くが刺さっているのは、少年アオヤマ君の「問題をどう見つけるか」という姿勢なんじゃないかと思います。父から教わった三原則、何度も間違えたあとにやっと問題の形が見えてくる感覚、今この瞬間に立ち戻ることの難しさ。単なる成長物語ではなく、理不尽さや不確かさへの向き合い方を淡々と示しているんですよね。怒りそうになったら別のことを考えてみる、好きという気持ちの正体を自分なりに分けて考えてみる。現実にすぐ効く魔法ではないけれど、呼吸が一つ整うような視点が散りばめられています。 特に印象に残るのは、「今ここにいること」と「思い出すことは違う」と気づく場面で、僕自身もつい記録や効率に逃げてしまう瞬間を思い出しました。正しい手順より、自分が何を感じているのかを置き去りにしないこと。その小さな感覚が、問題の輪郭を見つけるヒントになるのかもしれません。 立ち止まり方が分からない人、自分のペースがつかめないまま毎日が進んでいく人に、ゆっくり効いてくる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの55%が集中しています。
読書の順序
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