
流星ワゴン (講談社文庫)
重松清
講談社 / 2005-02-15
この本について
仕事でも家庭でも、「どこで間違えたんだろう」とふと立ち止まる瞬間があると思います。気づけば分かれ道を素通りしてきた気がするし、今さら振り返るのも怖い。でも、このまま流されていくのも違う気がする。そんなモヤモヤを抱えたまま、大人として毎日をなんとなく続けてしまうこと、僕にもよくあります。 『流星ワゴン』の抜粋を見ていると、読者が刺さっているのは“後戻りしたくてもできない気持ち”と“家族に対してうまく向き合えない不器用さ”なんだろうなと思います。仕事がいやでたまらないのに踏ん張ってしまったり、父親という役割にうまく馴染めなかったり、気づけば大事なことから目をそらしていたり。作中の「分かれ道がたくさんあったことにも気づかなくて」という一文は、これまでの自分にも重なるところが多いです。 この物語が効くのは、過去を美化したり説教したりしないところです。誰だって弱さを抱えたまま生きていて、その弱さごと向き合おうとしている姿がちゃんと描かれている。父と息子が男同士としてぶつかる場面では、理屈よりも“逃げずに会話すること”の重さが伝わってきますし、最後の「まだ先は長い」という感覚は、過去の後悔に押しつぶされそうなときの小さな灯みたいに感じます。 家族との距離感に悩んでいる人や、ここから先をどう立て直すか迷っている人には、特に刺さると思います。劇的に人生を変えてくれるわけではないけれど、自分の足で一歩だけ前に出せるような視点をくれる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
読書の順序
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