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満願(新潮文庫)

満願(新潮文庫)

米澤穂信

新潮社 / 2017-08-01

累計読者数19
平均ハイライト数 8.4件/人
推定読了時間 約4時間34分
star総合評価 56/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 44%

この本について

仕事でも家庭でも、人の気持ちや事情が複雑に入り組んでいて、「正しさって何なんだろう」と立ち止まる瞬間があると思います。自分は善人ではないし、誰かを傷つけている自覚もある。だけど、どこかに越えてはいけない一線だけはあるような気がして、その輪郭が見えなくなると不安になる。僕自身、そういう曖昧さにずっと悩んでいます。 米澤穂信『満願』は、そんな“揺れ幅”ごと抱える物語ばかりです。警官の「最後の一線」がどこにあるのか、親として何を守り何を手放すのか、貧しさや幸福を他者との比較だけで語れるのか。どの短編も、登場人物の迷いや矛盾がとてもリアルで、読みながら「自分だったらどうするんだろう」と考えさせられました。特に、計画的な悪意と切実な事情の境目が曖昧になっていく感覚や、他人の行動の裏にある“見えにくい動機”が少しずつ浮かび上がってくる感じが、日常の判断にもそのまま刺さってきます。 物語として面白いだけでなく、自分の中の基準をそっと揺らしてくれる本です。正義とか倫理みたいな大きな看板ではなく、「人はそんなに単純じゃないよね」という当たり前の事実を思い出させてくれる。迷いながら踏みとどまっている人ほど、沁みると思います。 こんな人に刺さる本です。正しさに疲れたとき、でも不誠実にもなりきれないとき。そんな中で、自分の“線”をもう一度見つけたい人へ。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。

目次

身内に不幸がありまして 北の館の罪人 山荘秘聞 玉野五十鈴の誉れ 儚い羊たちの晩餐 解説
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