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決壊(上)(新潮文庫)

決壊(上)(新潮文庫)

平野 啓一郎

新潮社 / 2011-06-01

累計読者数13
平均ハイライト数 9.6件/人
推定読了時間 約5時間54分
star総合評価 51/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 28%

この本について

人と向き合う時、自分でも気づきたくない利己心がちらついたり、相手を思いやるつもりが逆に暴力めいたものになってしまう瞬間ってありますよね。誰かを愛したいのに、どこまでが自己愛で、どこからが相手のためなのか分からなくなる。頭で考えるほど自分の動機が信じられなくなって、少ししんどくなるあの感じです。 『決壊(上)』は、そのモヤモヤを無理に晴らしてくれる本ではありません。ただ、逃げずに人間の複雑さを見つめていくとどうなるのかを、登場人物たちの細やかな心の動きとして“そのまま”見せてくれます。例えば、愛情が噛み砕けなくなって胸に異物のように残る瞬間とか、利他的に振る舞ったつもりが功利主義の罠に足をすくわれる感覚とか。読んでいるうちに、自分の中にも似たパターンがあることに気づいて、ちょっとだけ呼吸がしやすくなります。 特に効いたのは、「他者の他者性」を真正面から扱っているところです。相手が理解できなくても、それが自然であるという前提に立つと、人間関係の捉え方が少し変わるんですよね。無理に分かろうとしない余白というか、距離の置き方みたいなものが見えてきます。 人間の“きれいごとでは済まない部分”にうっすら疲れている人に刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

地方都市で妻子と平凡な暮らしを送るサラリーマン沢野良介は、東京に住むエリート公務員の兄・崇と、自分の人生への違和感をネットの匿名日記に残していた。一方、いじめに苦しむ中学生・北崎友哉は、殺人の夢想を孤独に膨らませていた。ある日、良介は忽然と姿を消した。無関係だった二つの人生に、何かが起こっている。許されぬ罪を巡り息づまる物語が幕を開く。衝撃の長編小説。
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