
汚れた手をそこで拭かない (文春文庫)
芦沢 央
文藝春秋 / 2023-11-08
累計読者数12
平均ハイライト数 5.3件/人
推定読了時間 約3時間23分
star総合評価 46/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 28%
この本について
日常では普通に振る舞えているのに、いざ相手の機嫌が変わったり、職場で責められたり、家族との関係がねじれたりすると、自分の中の“見たくない反応”が出てきて戸惑うことがあります。あれが本性なのか、それともただ限界だっただけなのか。そんな判断がつかないまま、あとから自己嫌悪だけが残ることってありますよね。 『汚れた手をそこで拭かない』を読んでいて刺さるのは、まさにその「自分でも説明しきれない揺れ」を丁寧に可視化してくれるところです。非常事態での言動を“本性”と短絡的に決めつけず、でも綺麗事でごまかすこともしない描写が続いていくので、登場人物の心の揺れが妙に自分ごとのように感じられます。嘘を重ねて身動きが取れなくなる瞬間や、誰かの一言に体温が一気に変わる感覚が、読者の保存箇所にも色濃く出ているように思いました。 読んでいると、他人の行動の裏側にある「そのときの状況」「身体感覚」「抱えきれなかった恐れ」みたいなものを想像できるようになります。対人関係で相手を一枚のラベルで判断しがちな人ほど、視界が少し広がるはずです。特に、感情に振り回されがちなのに本音を言うのが苦手な人には、登場人物たちの“揺れながらの選択”がそっと効いてきます。 自分や誰かの「うまく扱えない感情」に向き合いたい人に刺さる一冊です。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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出版社による紹介
もうやめて……ミステリはここまで進化した! 第164回直木賞候補作。 ひたひたと忍び寄る恐怖。 ぬるりと変容する日常。 話題沸騰の「最恐」ミステリ、待望の文庫化。 閉鎖空間に監禁された デスゲームの参加者のような切迫感。──彩瀬まる 平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家……。きっかけはほんの些細な秘密だった。 保身や油断、猜疑心や傲慢。 内部から毒に蝕まれ、 気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。 凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。 解説=彩瀬まる ※この電子書籍は2020年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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