
1973年のピンボール (講談社文庫)
村上春樹
講談社 / 2004-11
累計読者数28
平均ハイライト数 10.1件/人
推定読了時間 約3時間40分
star総合評価 56/100
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この本について
最近、自分の気持ちの入口と出口がどこにあるのかよくわからなくなることがあります。何かが始まったようで始まっていないし、終わったはずなのにまだ尾を引いている。そういう曖昧な季節を歩いている感覚って、意外と日常のあちこちにあります。 『1973年のピンボール』の抜粋を見ていると、まさにその「曖昧さの中に立ち尽くす感じ」に反応している人が多いのだと思います。入口と出口の話や、誰かを呼んだのか呼ばれたのかもよく分からない距離感、そしてふと鏡に映った自分が自分に見えなくなる瞬間。こういう描写が、整理できない気持ちをそのまま置いておく許可をくれるんです。世界を劇的に変える本ではないけれど、流星が闇を横切るみたいに、一瞬だけ自分の輪郭を照らしてくれる瞬間があります。 特に、自分で橋を焼いてしまったような気分のときや、何かを失った理由がうまく言葉にならないとき、この物語は静かな距離から寄り添ってくれます。答えを出さないまま生きている人間の姿を淡々と描きつつも、どんな月並みな日常にも学ぶ余地があるとそっと示してくれる。その感じが、読み返すたびに少しだけ救いになります。 こんな人に刺さると思います。物事の手触りを確かめたいのに、言葉が追いつかないと感じている人。
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出版社による紹介
さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。双子の姉妹との“僕”の日々。女の温もりに沈む“鼠”の渇き。やがて来る一つの季節の終り―デビュー作『風の歌を聴け』で爽やかに80年代の文学を拓いた旗手が、ほろ苦い青春を描く三部作のうち、大いなる予感に満ちた第二弾。
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