
時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ
劉 慈欣, 大森 望, 光吉 さくら, and ワン チャイ
累計読者数3
平均ハイライト数 25.3件/人
star総合評価 58/100
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この本について
ときどき、自分が信じてきた価値観がふっと揺らぐ瞬間ってありますよね。努力は意味があるのかとか、人類の進歩って本当に前向きなものなのかとか。忙しく日々を回しながらも、ふと立ち止まると「世界の成り立ちそのものがよく分からない」という感覚がじわっと出てくることがあります。そんなとき、自分の悩みをいったん宇宙規模に放り投げてくれる本があると、ちょっと呼吸がしやすくなります。 『時間移民 劉慈欣短篇集Ⅱ』は、まさにその“距離の取り方”をくれる短篇集でした。たとえば、文明が成熟しすぎた末に「存在しないことを選ぶ」種族の話や、人類文明がただの偶然の産物にすぎないと突きつけられる場面。どれも極端な設定なのに、なぜか日常の悩みが別の角度で見えてくるんです。また、科学技術が倫理を追い越してしまうときのズレや、白黒つけたがる思考の危うさなど、自分にも覚えがある葛藤が未来世界の中で増幅されて描かれていて、どこか身に覚えがある読後感が残ります。 SFと聞くと遠い世界のようですが、この本はむしろ“いまの自分の視野が狭かったこと”に気づかせてくれる読み物です。自分の悩みを相対化したいときや、世界の見方を一段ずらしたい人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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