ヨムナビ
小松左京短編集 大森望セレクション (角川文庫)

小松左京短編集 大森望セレクション (角川文庫)

小松 左京、大森 望

KADOKAWA

累計読者数3
平均ハイライト数 3.3件/人
推定読了時間 約7時間23分
star総合評価 41/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 42%

この本について

最近、いろんな価値観やニュースに振り回されて、「自分はどこに立っているんだろう」と急にわからなくなることがあります。進歩しろと言われつつ、進歩の先に何があるのかは誰も教えてくれない。孤独なのか静けさなのか、自分でも区別がつかない時もあります。そんなモヤモヤを抱えたまま日々をこなしている人には、小松左京の短編は意外な形で効いてきます。 この短編集にあるのは、未来技術やSF的ガジェットの派手さというより、何百億もの人が生まれては消えていくスケールの中で人間がどう存在しているのか、という視点のズレです。文明は続いても人は土に還る、という当たり前すぎて普段は考えない事実に触れると、自分の悩みが「小さい」という意味ではなく、もう少し俯瞰して扱えるサイズに変わります。また、人間は放っておいても技術を進めてしまう生き物だ、という冷静な観察にも救いがあります。頑張れと言われなくても、どこかで前に進もうとしてしまうのが人間なら、今の焦りや空回りもそんな本能の延長線に見えてくるからです。 さらに、孤独と寂寥を分けて考えている文章が静かに刺さります。若いころの置いていかれた感じと、過去がゆっくり記憶に変わっていく感覚はまったく別物で、どちらも否定する必要はない。そう思えるだけで、生き急がなくていい気がしてきます。巨大化した世界で人の心が一つにまとまらない、という指摘も今の空気にそのまま重なります。 大げさに人生を変える本ではないけれど、長い時間軸からそっと背中を押してくれる一冊です。自分の小ささと大きさの両方を確かめたい人に刺さります。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

身の毛のよだつ怪談から、大笑いのコメディ、ひねりの効いたアイデア・ストーリー、じんわり沁みる普通小説、実話テイストの落語小説などなど……。 傑作が多すぎて、どれから読んでいいのか分からない……。そんな読者のために、大森望が腕によりをかけて厳選した、小松左京の多種多様な側面を一望できるショーケース! ページ数を気にせずに、本当におもしろい和ものとホラー系を中心に据えた、大森望ならではのセレクション。小松左京の「SFの巨匠」という顔しか知らない読者は、きっと新鮮な驚きを味わえるはず! 【序文】大森望 【特典】生頼範義によるカバーと、迫力のメガイラスト口絵、小松左京本人による、貴重な手描きイラスト図版を収録。 【収録作品】 「夜が明けたら」 「日本売ります」 「模型の時代」 「終りなき負債」 「牛の首」 「兇暴な口」 「骨」 「旅する女」 「流れる女」 「明烏」 「くだんのはは」 「召集令状」 「一生に一度の月」 「天神山縁糸苧環」 「氷の下の暗い顔」 姉妹編『小松左京短編集 東浩紀セレクション』も同時発売!
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要