
アンビバレント・ヒップホップ
吉田雅史
ゲンロン / 20250307
累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
star総合評価 34/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 42%
この本について
仕事でも日常でも、「なんであの人はあんなふうに堂々としていられるんだろう」とか、「自分のリアルって何なんだろう」とか、ふと立ち止まる瞬間ってありますよね。強がりと本音のあいだで揺れるあの感じを、ただの気合論じゃなくてもう少し丁寧に言葉にできたら…と思うことが僕はよくあります。 『アンビバレント・ヒップホップ』は、まさにその揺れを真正面から扱っている本でした。読者の方が保存していた抜粋にもありますが、ヒップホップの「リアル」が実はフィクションとセットになっているという指摘がとても印象的で、「強がり=嘘」みたいな単純な話じゃないんですよね。むしろ、生きるために盛る。厳しい世界をただ写すんじゃなくて、そこに意味を上乗せしていく。自分の弱さや現実とどう折り合いをつけていくかを考えるうえで、この視点はけっこう効いてきます。 もう一つ良かったのは、文化の背景を丁寧にたどっているところ。ブレイクビーツがどう生まれたのかとか、ブーンバップと呼ばれるようになるまでの流れを読むと、音の裏側にある必然が見えてきて、単に「雰囲気が好き」で終わらなくなるんです。自分が何かを好きになる理由や、いつの間にか受け取っていた価値観を見直すきっかけにもなります。 強がりと本音のあいだで揺れる感覚を言語化したい人に刺さる一冊だと思います。
analytics
読書インサイト
ハイライト密度
開始終了
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
「ヒップホップとはいったい何だろうか。
それは日本語でこの文章を読んでいる、あなたにかかわる問いである。」
──はじめにより
最後の音楽であるヒップホップは、未だ強く新しいナラティヴを生み出そうとしている。
そしてやがてそれは終わるだろう。
モダニズムという脂質と、歴史という糖に、同時に淫する、誠実な吉田の、誠実な両価性(アンビバレンス)。
──菊地成孔 a.k.a. N/K
ハイとロウ、芸術と路上、知性と野生。
異形のヒップホップ論にして、斬新な現代文化論。
批評再生塾の初代総代にしてラスボス、MA$A$HIが遂に単著デビュー!
──佐々木敦(批評家)
アメリカと日本(フッド)に引き裂かれた日本語ラップには、戦後社会のアンビバレンスが凝縮されている。緻密な楽曲分析を通し、ヒップホップの本質とこの国の「リアル」を抉る。四半世紀にわたりヒップホップと向かい合ってきたビートメイカー「MA$A$HI」が送る、衝撃の日本=ラップ論。
目次
・はじめに
ヒップホップという生き方/なぜヒップホップについて考えるのか/ヒップホップの黄金期/ローカライズからトラップへ/リアルとアートのアンビバレンス/本書の流れ
・第1章 リアル
ボースティングという名の構え/ストーリーテリングの誕生/ジェイ・Zとケンドリック・ラマーの話法/ヒップホップはリアリティ・ショーなのか/マック・ミラーという特異点/ラッパーという名の芸術家/フェイク・ドキュメンタリーをまなざす
・第2章 オーセンティシティ
アメリカの影、再び/日本語ラップという片割れのバンズ/日本語ラップVS.J―RAP/ビートとジャズの出会い/ヤン富田の現代音楽/DJ KRUSHとビートの旅路(トリップ)/ビートに宿るオーセンティシティ
・第3章 フロウ
平板な日本語という条件/押韻という名の欲望/Keisuke Kuwataという起源/日本語ラップにとって七五調とはなにか/日本語ラップ論争/英語の会話はラップなのか/SEEDAによる日本語解体/KOHHと破調のフロウ/失われたダサさ
・第4章 風景
風景の発見、再び/いとうとZeebraの東京/フッドの発見/THA BLUE HERBの原風景/SEEDAとKOHHの東京/MVは何を映しているのか?/ヒップホップ=ヴィジュアル系/唇の功罪/ハイパー・シンクロニゼーション/ラッパーと映像による共犯/カニエ・ウエストは不死鳥の夢を見るか/ドンダという名のフッド/ラッパーにとって映えとはなにか
・第5章 ビート
少しだけ未来を見通すビート/反復するのは人間か、機械か?/アクシデント起源説:ビートメイカーの自我確立/コラージュとしてのサンプリングアート/アンビエント・ヒップホップに耳を澄ます/Gファンクと生演奏/南からのキーボード・ビーツ/トラップ:ノリと低音の革命/パラメータ化するビートと署名/808という名の署名
・第6章 日本語ラップ
日本語という条件/複数形のグローバル・ヒップホップ「ス」/二〇一〇年代のUSラップ/DJ KRUSHとJinmenusagiの化学反応/『KUUGA』の唯一無二性/舐達麻流エモラップ/鬼と妖怪とラッパーたち/アメリカの影の外へ/日本語ラップという名のワイルド・スタイル
・あとがき
・参考文献
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
無料ではじめる
クレジットカード不要




