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世界のほうがおもしろすぎた

世界のほうがおもしろすぎた

松岡正剛

晶文社 / 20250818

累計読者数3
平均ハイライト数 31.7件/人
star総合評価 67/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 34%

この本について

仕事でも日常でも、物事をすぐに白黒つけられない場面ってありますよね。どっちが正しいのか、何を基準に選べばいいのか、自分でもよくわからなくなる。なのに世の中は「わかりやすさ」や「一貫性」を求めてくるから、余計に息苦しくなることがあると思います。僕もよくその渦に巻き込まれてしまう側です。 『世界のほうがおもしろすぎた』は、そんな「はっきりしなさ」に振り回されている時に読むと、少し空気が変わる本でした。抜粋を見てもわかるように、この本は一貫して“あいまいさ”や“揺れ”を肯定しているんですね。輪郭は対象そのものではなく背景との関係で生まれるとか、牡丹の句に見える「ありどころ」だけを捉える姿勢とか、あるいはチグハグをあえて残す編集の感覚とか。どれも、僕たちが普段「正確に理解しよう」と力んでいる場所を、そっと緩めてくれる視点なんです。 特に刺さったのは、「情報は行ったり来たりする」とか「言葉は膜のように出入りがある」という考え方でした。物事を固定化しようとしすぎると、自分の理解も行動もすぐに硬くなる。でも本当は、既知と未知のあいだを往復しながら、ちょっとずつ見え方が変わっていく方が自然なんですよね。そう思えたことで、仕事で判断が揺れる時にも、揺れている“途中”をそのまま扱えるようになった気がしています。 明確な答えより、世界の複雑さごと付き合いたい人に合う本です。僕と同じように「どっちやねん」で立ち止まることが多い人には、かなり居心地のいい読書になると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

正体不明という生き方。 「ぼくが目指したことは、すべて編集です」 異能の編集工学者が謎に包まれたその生涯と秘策を一気に語り明かす。 ロングインタビューによる、最初で最後の「自伝」。 「若者の教祖」「知の巨人」「博覧強記」――。 あらゆるレッテルを嫌い、「生涯一編集者」であることに徹した松岡正剛。 その歩みは理科少年の時代[ころ]に抱いた自己同一性への疑問に 始まっていた。 十数時間におよぶ、生前最後にして初の自伝インタビューを完全再録。 また付録として、未発表稿及び年譜を掲載。 【本文より】 「遅ればせ」ということを、わりに早くから自覚していたんです。あえて遅滞する、 遅延するということです。ふつう遅れるというのは、とろいこと、才能が発揮しに くいとか、コミュニケーション能力がないということです。でもぼくは「遅ればせ」 がいいんだと思ってやってきた。こういう感覚は若いころからありました。おそら くぼくが編集に関心をもったことにも関係していたんだろうと思います。―― 【目次】 第1章……正体不明のゴースト 第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ 第3章……アルス・コンビナトリア事始め 第4章……すべてはアナロジーのために 第5章……編集工学の胎動と脈動 第6章……編集の国から生まれた学校 第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ 第8章……虚に居て実を行う ◆松岡正剛年譜

目次

第1章……正体不明のゴースト ■自己同一性がわからない ■科学のデーモンと精神のゴースト ■「粗より」という方法 ――断章1:『擬――「世」あるいは別様の可能性』より第二綴「きのふの空」(二〇一七) 第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ ■殺されるくらいの気概をもて ■京都の「すい」、東京の「いき」 ■理科少年の目覚めと抵抗 ■「自分」の確立から遠のくということ ■新聞づくりと印刷技術に夢中になる ■革命的マルクス主義の前線で ――断章2:『概念工事』より「極上の迷宮」(一九八〇) 第3章……アルス・コンビナトリア事始め ■「ハイスクール・ライフ」編集長になる ■稲垣足穂に翻弄される ■オブジェマガジン「遊」の誕生 ■杉浦康平からの宿題 ■誤解の「可能性」をあえて入れておく ■超絶アルス・コンビナトリアとそのコツ ――断章3:「歳視記・2」(一九七九) 第4章……すべてはアナロジーのために ■人が人を、噂が噂を連れてくる ■なぜ本に孔を空けたのか ■科学と精神と機械はまぜこぜに ――断章4:『フラジャイル』Ⅲ「身体から場所へ」2「振舞の場所」(一九九五) 第5章……編集工学の胎動と脈動 ■科学万博のパビリオンをつくる ■世界同時年表『情報の歴史』 ■複雑系・割れ目・ノンリニア ■編集工学は「知」を自由にする技術 ■企業人たちとの意外な交流 ■トークは「装置」から考える ■高気圧先生の大学奮闘期 ――断章5:ハイパーカードに出会うまでに頭の中で電話が鳴っている  (「HyperLib」一九八七年第六号) 第6章……編集の国から生まれた学校 ■九〇年代日本に対する危機感 ■早すぎた「編集の国」構想 ■「たくさんの自分」から始まる学校 ■イメージメントとマネージメント ――断章6:「一到半巡通信」(二〇〇〇年十二月号)より「埒外案内」 第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ ■千夜千冊は書評ではない ■千夜千冊達成と胃癌の顚末 ■他者と自己の問題を再編集する ■千夜千冊を新たなエディションにする ■本棚の文脈が読める空間 ――断章7:『學鐙』(二〇二四年九月)より「編集工学的読書術」 第8章……虚に居て実を行う ■写真家たちのアート・ジャパネスク ■方法日本を奮い立たせる ■近江に思考の拠点を移してみると ――断章8:『日本数寄』より「主客の遊び」(二〇〇〇) ◆松岡正剛年譜 ◆あとがきに代えて
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