
知の編集術 発想・思考を生み出す技法 (講談社現代新書)
松岡正剛
講談社 / 2000-01-20
この本について
情報が多すぎて、何をどう受け取ればいいのか自分でもよく分からなくなる瞬間ってありませんか。ニュースを見ても議論を聞いても、地面と表面がごちゃごちゃのまま流れてくる感じで、「結局どう理解すればいいんだろう…」と手が止まってしまう。僕もずっとそのタイプでした。 松岡正剛『知の編集術』は、その混乱に少し風を通してくれる本です。といっても、処理術や整理テクニックを教えてくれるわけではなくて、「情報を知に変えるとき、何が起きているのか」を丁寧に見せてくれる。たとえば、原子力事故の話で地と図を分ける感覚を示したり、子どもの「ごっこ」や「しりとり」に学習の原型を見るところなど、具体的な場面を通して“関係を並べなおす”とはどういうことかがわかってきます。読みながら、自分がいまどんな目印で世界を見ているのかが、じわっと浮かんでくる感じがあります。 もう一つ、この本が効くのは「編集は遊びから生まれる」という視点です。創発的な技術という言い方をしていますが、要は準備と偶然がまじる場でこそ思考は動き出す、という話で、正しさや一貫性を追いすぎると逆に見えなくなる“あいだ”を扱えるようになります。僕自身、仕事で情報をまとめるときに、この“あいだを見る”意識を持つだけで、議論の停滞がほぐれる経験が増えました。 情報を集めてもつながらずにモヤモヤしがちな人、インプットの量はあるのに「結局どう考えればいいんだろう」で止まりやすい人には、かなりしっくりくるはずです。情報を変えようとするのではなく、自分の見方がどんなふうに動いているのかを知るための一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
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