
福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)
大倉 崇裕
東京創元社 / 2008-12-12
累計読者数4
平均ハイライト数 3.8件/人
推定読了時間 約6時間47分
star総合評価 44/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 29%
この本について
仕事でも日常でも、状況を読み違えたり、人の気配をうまくつかめなかったりして「なんか自分だけ空回りしてるな…」と感じるときってありますよね。相手は特に何も言わなくても、こちらの胸の奥にはじんわり寂しさが居座ったまま。疲れているのに、表情には出せないまま進むしかない。そういうときに少し視点を変えてくれるのが『福家警部補の挨拶』でした。 この作品の面白さは、派手なアクションよりも、日常のざらつきや微妙な気配の変化を丁寧に拾い上げるところにあります。例えば、登場人物の悄然とした仕草や、疲労の翳が差す場面の描かれ方が妙にリアルで、読んでいる側の「自分もこんなときあるな」と勝手に重ねてしまう。さらに、福家警部補が“オッカムの剃刀”のように余計な思い込みをそぎ落として、シンプルに真実へ近づいていく姿は、こちらの頭の中まで整理されていくような感覚がありました。 事件の泥沼に足を取られそうになりながらも、淡々と人の嘘や弱さを見つめていく福家の視線は、日常の人間関係にもそのまま応用できるところがあります。相手の言葉よりも、ほんの一瞬のまばたきや沈黙に目を向けてみる。そこに手がかりがあるかもしれないという発想は、仕事でも家庭でも意外と使えるんですよね。 静かに人の心の揺れを読み取りたい人、あるいは「人の嘘や本音が見抜けず疲れてしまう人」には、じわっと効いてくる一冊だと思います。
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出版社による紹介
冒頭で犯人の視点から犯行の経緯を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。本への愛ゆえに殺人も辞さない私設図書館長の献身「最後の一冊」、科警研主任として鳴らし退職後は大学講師に転じた“教授”が厭わしい過去を封じる「オッカムの剃刀」、二女優の長きにわたる冷戦がオーディションを機に火を噴く「愛情のシナリオ」、経営不振で大手に乗っ取られる寸前の酒造会社社長が犯す矜恃の殺人「月の雫」、以上四編を収録。刑事コロンボをこよなく愛する著者が渾身の力を注ぐ第一集。
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